「私の書棚の大半は歴史書が占めています。それも近代史、現代史に属するものが多く、分野も政治史関係が他を圧倒しています。
もうひとつの特徴は、歴史書といっても、歴史的人物に焦点を当てた本が多いということです。伝記も多いですが、歴史の叙述の中で特定人物を浮き彫りにしているような本が特に私の好みに合うようです。
『政治家は何よりもまず歴史を知らねばならない』というチャーチルの言葉は衝撃的でした。過去を知れば知るほど未来がよく見えるようになる。日本の政治家と欧米の政治家の大きな違いはのひとつは、欧米では歴史を専攻した政治家が驚くほど多いことです。
高校時代の国語の先生に、「人生と格闘していない人に小説が書けないし、本当の読書もできない」と言われたことがあります。当時は意味がよくわかりませんでしたが、このごろようやくわかるような気がします。」
(「読書を楽しもう」岩波書店編集部より)